馬が合いたい大学生

競馬の予想やレース回顧、現地での様子をつらつらと書いていきます

ある一頭の競走馬について

■グレイルとの出会い

 

私が競馬を見始めたのは、2017年の暮れ、それも大晦日に、友人からの誘いを受けて大井競馬場に行ってからになります。目の前で馬が走る姿、パドックや馬柱を見ながら思考すること、そして実際に賭けてレースを見ること、すべてが心を揺さぶる、最高の娯楽に出会った瞬間と言って良いでしょう。

 

地方、それも大井競馬場から競馬ライフをスタートさせた私は、年が明けてしばらく経った2018年2月11日、東京競馬場で初めての中央競馬参戦を果たします。その日のメインは「第52回共同通信杯」。その当時全く知識のなかった私は、それが3歳限定戦であることも、ましてやクラシックの前哨戦であることも知らずに、ただただ新聞を見て予想を始めました。

 

購入した新聞の一面には、一行、デカデカと

 

「グレイル、モノが違う!」

 

の言葉。どうやらGⅠ馬(タイムフライヤーのこと)を負かしたらしく、ここでは素質が違うらしい…。しかも乗り役はあの「武豊」ではないか!これは買うしかない!

 

ビギナーの考えなんてこんな感じで、私はグレイルを軸に馬券を購入しました。しかしまあ、結果はご存じの通り。グレイルは7着に敗れ、私の馬券もチリと消えました。この時は「1人気で負けた馬www」とバカにしていましたが、これが私と彼との最初の出会いでした…。

 

■春のクラシック

 

それからというもの、競馬に接する機会も増え、「クラシックとはなにか」「今週の重賞は何か」…と着実に知識を増やし、競馬沼へとハマっていき、4月に入って一冠目・皐月賞を迎えることになります。

 

私の本命はエポカドーロで、この時エポカとジェネラーレウーノのワイドを当てていたのですが、着順を見てびっくり。新たに岩田騎手を鞍上に迎えたグレイルは、上がり最速の脚を使って6着まで追い上げているではありませんか。友人とこの結果を見た私は、「ひょっとしてダービーで…?」と心を躍らせました。

 

そして迎えたダービー。私は青葉賞を勝ったゴーフォザサミットを本命としながら、グレイル絡みの馬券をしこたま購入し、画面の前に臨みました。結果はまあ…言うまでもないでしょうか。それでも私は、そして私の友人は「競争馬・グレイル」と心をともにしていたのでしょう。

 

■前哨戦の輝き、菊の惨敗から冬へ

 

迎えた秋初戦は、菊花賞トライアル・セントライト記念。彼が出走するとあり、私たち二人は当然のごとく中山競馬場へ。私は、(当時どこからそんな金を出してきたのか)グレイルのがんばれ馬券を各1000円、グレイルを含めた三連複BOXを握りしめ、レースに臨みました。

 

春から明らかにひどくなった出遅れ癖は変わらず、道中は後方からの展開。飛ばしたタニノフランケルらとの距離を見たとき、「ああ、捕まえるのは厳しいかな…」とさえ感じました。

 

しかし、直線に入ると、岩田騎手に導かれながらスルスルと内を抜け、アッという間に中団まで押し上げています。私は声を涸らしながら「岩田ァ!グレイル!」と叫び続けました。最後は、人気を背負っていたブレステイキングと並んだところで入線。ラジオ日経・中野雷太さんの実況が響く中、ストップモーションを固唾を飲んで見守ります。

 

1着・ジェネラーレウーノ、2着・レイエンダ、そして3着は…

 

「外から追い込んだグレイル!」

 

この声が聞こえたとき、場内の誰よりも声を上げ、誰よりも大きなガッツポーズをした自身があります(笑)。何度も、何度も叫び、「ありがとう岩田!」と天を仰ぎ続けたのは、それまで幾戦も見てきたレースとは違う、別格の感情が沸き上がってきていた表れではないかと思います…。

 

10月に入って菊花賞を迎えると、彼は穴馬として人気を集める存在になっていました。私自身も、「距離延長なら」「京都の外回りなら」と根拠を集め、またしてもしこたまグレイルの馬券を購入。当日はライブに行く予定があったので、ワンセグ片手に彼の走りを見守りました。

 

結果は…、詳細に述べるまでもないでしょう。殿から追走したグレイルは、直線でも末脚がはじけることはなく、10着に敗れてしまいます。しかし、セントライト記念で見せた末脚を忘れることはなく、ハーツクライの子どもなら来年また成長するはず、と切り替え、次戦の発表を待ちました。

 

迎えた2018年の6戦目、彼は初めて中京競馬場でのレース・中日新聞杯に臨みます。鞍上に津村騎手を迎えたグレイルは、モニターの前にいた私が思わず「えっ?」と声を出してしまうほど、“まずまずの”スタートを切ります。「これなら…」と思ったのも束の間、直線では右に左に全く進路を見いだせず。津村騎手の手もムチも動くことがないまま、13着と大敗を喫することになったのです。

 

■故障からの復帰、充実の秋緒戦

ほどなくすると、陣営からは年明け・AJCCへと向かうローテが発表されます。好走歴のある舞台での復帰戦に向け、彼はもちろん、私も友人も鼻息を荒くしてまっていました。

 

しかし、彼の復帰戦は春には訪れませんでした。捻挫の影響で、AJCCを回避することが発表されたのです。「しばらく見られないのか…」と悲しむ中、春のクラシックシーズンは過ぎ、季節はあっという間に夏競馬の時期へと突入します。

 

すると、頭の中から離れかけていたグレイルの情報が、突然飛び込んできます。

 

「グレイル(牡4・野中)は函館記念で復帰」

 

帰宅途中だった私は小躍りしたい気分になり、すぐさま友人に知らせました。「函館まで行こうかな?」「武豊が戻ってきてくれるんじゃないか?」と、尽きない楽しみに思いを馳せ、函館記念の特別登録が出るのを待ちました。

 

が、1週前の登録にグレイルの名前がありません。どうやら、賞金順で出走がかなわず矛先を福島TVオープンへと変えたようです。「なら仕方ない」「福島なら遠征しやすいな」と、彼の復帰以上に嬉しいことを知らないハッピーな我々は、すぐに気分を切り替えました。

 

迎えた福島TVオープン。鞍上に内田騎手を乗せたグレイルは、復帰前同様、なかなかに渋い出脚を見せてくれます。馬場の悪い内を避けながら迎えた直線、伸びてこそいるもののワンパンチ足らず、復帰戦は2番人気6着に終わります。

 

すると今度は、速い段階で次走が発表されました。

 

「グレイル(牡4・野中)はオールカマーへ」

 

その時点で、オールカマーの出走予定にレイデオロ、ウインブライト、リスグラシュー(出走せず)、スティッフェリオとGⅠ馬、重賞馬が並んでおり、私は「さすがに厳しいんじゃないか…?」という疑念を少なからず抱いていました。

 

ところが、彼は自身の走りで再び我々を魅了するのです。10頭立ての6番人気に甘んじたグレイルは、後方のインに着けると3コーナーすぎからスルスルと前進し、直線では先行集団を射程圏内に入れます。逃げ切ったスティッフェリオ、外から差し込んできたミッキースワローに続く3着争い、ゴール板前では内にグレイル、外にはダービー馬・レイデオロが並んで入線しました…。

 

このとき、私、あるいは私たちの頭には、昨年のセントライト記念がフラッシュバックしたことでしょう。ハナ差の争い、人気馬との競り合い、そして彼自身の低評価、すべてを払いのけて掲示板の3着に「4」が灯ったとき、こぶしを突き上げ、「戸崎ありがとう!」の声が、自然と口から出ていました。初手綱の鞍上からの期待に応え、彼は、またしても自分の強さを証明して見せたのです。

 

■待ち望んだ春は来ず

次なる舞台は東京競馬場でのアルゼンチン共和国杯と発表されると、私は彼を撮るため(と言っては少し過言?(笑))に一眼のカメラを購入し、レースに備えました。今まではパドックでしか撮影できなかった雄姿を、なんとか収めたいと思ったからです。

 

しかし、彼は再び戦線離脱を強いられます。骨折の診断とともに、「春に復帰。彼にとって良い休養になる」という野中師の言葉が発表され、彼に会うことを心待ちにしていた私は「良い休養なんてあるかい!」と思わずツッコんでしまいました(笑)。

 

それからというもの、秋のGⅠシーズンを楽しみ、浦和でのJBCも存分に味わった後、いよいよ年末のグランプリ・有馬記念の投票シーズンがやってきました。「待ってました」とばかりに、カ行から「ク」のカテゴリを選び、スクロールして…ん?グレイルがいない?

 

その時は「故障してるから名前がないのか」で納得していました。ところが、去る11月21日、Twitterのタイムラインに「グレイル抹消」の文字を目にすることになります。最初こそ誤報を疑ったものの、netkeibaの掲示板にも、グレイルで検索をかけたTwitter上にも、終いには次走報さんのツイートにもそれが表れ、私は観念するしかないことを悟りました。

 

好きな馬の引退はかくも辛いものか、と思いながら、今日も私は東京競馬場に赴きました。グレイル好きの友人とともに、「オールカマーがラストランになるとはなあ」「払い戻ししなきゃよかった」「引退したらどこに行くんだろうか」と、思い出やグレイルの今後について思いを馳せながら、半日競馬を楽しみました。

 

しかし、帰宅し、夕飯を食べて部屋に戻り、Twitterをチェックした瞬間、私の視界は井俊にしてくもりました。「グレイルが斃死って…」という文字列は、私に何万の馬券が当たることよりも、何千と欠けた馬券が外れることよりも、今までの数多の悲しかった出来事をも飲み込む感情を、私に浴びせました。

 

それからの数分は、必死にソースを探し、「斃死」という言葉の意味を調べ、なんとか現実に疑う余地がないかをさがしました。しかし、そのどれもが無意味で、ネット版の競馬ブックの抹消欄では、行先の書かれていないグレイルの名前と、「斃死」の文字だけがたたずみ、私を出迎えたのです。

 

■好きな馬に会うこと

1年半と少し、競馬とかかわってきた中で、競走馬の儚さを実感する機会はいくつもありました。今年も、年始のフェアリーステークスではアマーティが、POGで何度も話題にしたブルトガングが、復帰からGⅠを目指していたシャケトラが、その他数多の馬たちが、競馬というスポーツの潮流の中で命を落としてきました。

 

決してそれを甘く見ていたわけではなく、軽んじていたわけでもありません。しかし、実際に見てきた、それもひとしおの感情を込めて接してきた馬の死は、私たちに競馬の厳しさ、辛さをヒシヒシと痛感させました。

 

目の前に好きな馬がいる、その馬のパドックを、レースを見ることができる、そしてなにより無事に走り終えた瞬間を目撃できる。日々当たり前に起こっているこの事象が、どれだけかけがえがなく、どれだけ貴重のものであるか、身に余る幸せを味わえていることを、グレイルに教えてもらったような気がします。

 

どうか安らかに。空の上を自由に走り回っていてください。きっと、怖がっていたゲートをくぐることはもうないでしょう(笑)。ありがとう。さようなら。

 

 

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オールカマーパドックにて。いつ見てもカッコいい、見栄えのする体でした。

 

 

 

 

 

 

11月9日 武蔵野ステークス予想(おまけ:デイリー杯2歳S)

7月以来となるブログ投稿になります。最近はもっぱら、「同じ誕生日」というだけで応援しだした田辺裕信騎手を追いかけ続ける変態に成り果てましたが、久しぶりにどっぷり予想したので記事にしていきたいと思います。

 

まずは近年の傾向から。ここ5年では2017年を除き前半3Fが34秒台と入りが速くなっており、17年も良馬場で35.1秒とペースが流れています。スタート地点が芝コースのポケットであるため、そこでの加速⇒惰性でのスピード維持によってこのハイテンポが作られていますが、これによってどの年も勝ち馬には速い上がりが求められる傾向が出ています。

 

■展開予想

今回のメンバーで、逃げに出るのは⑧ドリームキラリと見て間違いないでしょう。陣営もマイペースでのレース展開を見込み、望んでいます。そして、今回のレースでポイントとなるのが、これを追いかける先行集団と見ています。以下に候補を列挙すると、

 

①グル―ヴィット

②デュープロセス

⑤エアアルマス

⑨タイムフライヤー

⑩マジカルスペル

 

と見られます。まず①グル―ヴィットは、春から転向した芝での走りを鑑みて、ダッシュ力という点からも出たなりで先行してくることが予想されます。続いて②デュープロセスは、調教師のコメントからも前走より行き脚をつかせてくるとみられ、内枠を利して好位を取りに来るでしょう。

 

そして注目したいのが⑤エアアルマスです。この馬は、2走前のエニフSで砂をかぶった前半は完全にレースを嫌がり、外に持ち出した直線だけの競馬で勝利、という奇想天外な勝ち方をしています。「砂を被る」ことが極端に影響するのを踏まえてか、前走は鞍上がスタートから外目の2番手を取りに行き、直線でもそのまま押し切って連勝を収めました。

 

今回、ドリームキラリが作りたいペースは欅Sのような35秒後半のゆったりした流れと見られます。これを番手で追走できれば、エアアルマスとしても願ったり叶ったりです。しかし、そんな悠長なことをしていると、今回は好位先行集団に人気所が固まっており、なおかつ内枠なので砂を被る危険性があります。前走を踏まえると、一か八かの直線にかけるよりも、「ドリームキラリを突きながら外の2番手」を選ぶのではないか、と考えます。

 

すると、ペースは35秒前半から35秒を切る程度の例年並に落ち着くとみられ、今年も末脚がしっかり発揮できる馬の台頭が見込めます。この視点から、印、そして買い目を発表していきます。

 

■印、買い目

◎ワンダーリーデル(牡6・横山典弘

 

この馬の魅力は近3走で馬場状態を問わず35秒台の脚を使えていることです。戸崎騎手に乗り替わった3走前・欅Sでは、ドリームキラリが作った流れ、1着には後のGⅠ2着馬・アルクトスという状況で3着に食い込み、ハイペースとなった次走・アハルテケSではオープン昇格後初となる勝利を収めました。特徴として、追走の位置取りこそ変わらないものの、スローでは一瞬の加速力に欠けて届かない、という点が挙げられ、今回レースにピタリとはまりそうな1頭という印象を受けます。鞍上はテン乗り、しかも横山典弘騎手と未知の部分はありますが、十分このメンツに通用する力があると見ています。

 

サンライズノヴァ(牡5・森泰斗)

 

前走・MCS南部杯では、内枠を利して鞍上・吉原寛人騎手が巧みな手綱さばきを披露。交流GⅠ初制覇を果たしました。しかし、陣営も想定外だったのかこれが祟って今回は斤量59キロ。府中の番人として多くの別定戦をこなしてきたこの馬にとっても、未踏の領域に脚を踏み入れることとなります。とはいえ、前走時534キロの馬体が示すように大型馬であり、58キロまでは好走歴があって克服済。戸崎騎手の負傷によって船橋・森泰斗騎手に乗り替わりましたが、地方騎手のポジション感覚は後方一気が主流だったこの馬にとってはプラスに働くはず。中ごろの枠で前走の再現、とはいかないまでも、経験を生かして後方手前での走りができれば、連覇も圏内にとらえられるはずです。

 

▲カフジテイク(牡7・福永祐一

 

サンライズノヴァ同様、こちらも満を持しての府中参戦といったところでしょうか。長期休養から明け、中山、京都の1200と適性とは言えない条件でも末脚を繰り出し、衰えを感じさせない走りを見せています。芝スタートの1200を使ったことで、今回のレースでも追走は楽になるはず。再び長い直線を切り裂く脚が見られるのか、現地での観戦が楽しみな1頭です。

 

△エアアルマス、スウィングビート

 

エアアルマスについては、先述の通り前走で好位から抜け出しての圧勝があり、位置取りに左右される馬ではありません。たとえ後方からになっても、エニフSのように末脚を繰り出すことができ、長い直線を利しての追い込みもできそうです。一方で、想定のようにドリームキラリを突きながらになった場合、ワンペースでの先行が予想されます。前回は、スタート直後こそ競り合ったものの、その後は12秒後半までラップが落ちてしっかりと脚が溜まるレース展開。今回それが覆ると、コロッと崩れる可能性もあるかもしれません。しかし、陣営がここを最後に年内休養を発表しているように、メイチの仕上げでくることはたしかで、切ることはできないでしょう。

 

スウィングビートに関しては、前回大外枠、緩いラップと恵まれないなかで昇級戦を3着と奮闘。府中では全4勝を挙げるなど(4,1,1,2)と出色の成績を残しており、軽視できない存在になりそうです。そして、なにより鞍上が田辺騎手です(真顔)。

 

買い目としては、◎が穴目なのでそこの単複、人気の上下を問わずワイドを流す、といった感じでしょうか。混戦が予想されるので、金額は抑え目が良さそうです。

 

おまけ:デイリー杯2歳S

 

ペールエール(牡2・デムーロ

 

鞍上、そして無敗ということからサクセッションも人気を集めそうですが、本命はこちら。前走は中団で立ち回り、直線半ばで先頭に立って押し切るか、というところを勝ち馬(ウーマンズハート)の末脚に刈り取られてしまいました。しかし器用な立ち回りで末脚を伸ばした内容は出色もので、3着、4着馬はともに続く重賞でも好走を見せています。サクセッションの相手関係が楽だったのと比較しても、オッズが同じ、ないしは劣るのであれば美味しいのではないでしょうか。

 

◯インザムード(牡2・田中健

 

前走は、開催全体の新馬戦でも見栄えのする時計で快勝。好位をとると直線では後続をしっかりと突き放して初戦を飾りました。勝ち時計は2週前のライティアを上回るもので、単純比較はできませんがパフォーマンスとしては及第点。鞍上の田中健騎手は、想定段階では2勝馬・ゼンノジャスタに騎乗予定でしたが、回避して無事回ってきた1頭、かつ新馬から乗るノーザンファーム馬ということで、みすみす逃すような騎乗にはならないでしょう。直前の追い切りは前走同様軽いものでしたが、調整としては予定通りの様子。祖母・フサイチパンドラの名も光ります。並みいる評判馬を出し抜いて、凱歌を上げることはできるでしょうか。

 

△サクセッション、ライティア

 

 近親馬やオープンでのパフォーマンスから、この2頭も当然候補に入ってくるでしょう。上記2頭に重い印を打つこととなりましたが、ともに十分制覇圏内にいる馬と言ます。

 

買い目は◎と◯の馬連、ワイドあたりで、△馬が気にならないように買いたいところですね。

 

 

 

 

7月4日 スパーキングレディーカップ予想

安田記念以来の記事ということで、普段から見てくださっている方には申し訳ない限りです。大学が夏休みに入ると必然的に更新頻度も上がると思いますので、しばしお待ちいただけると幸いです。

 

JRA勢が中心。南関からはダートグレード実績を重視

過去5年の開催での馬券内内訳は、JRA勢が(5,3,4)、南関勢が(0,2,1)と、交流重賞らしく中央馬が上位を占めています。そんな中で連に絡んだ南関勢の2頭(ララベル、ブルーチッパー)に共通している点は、「ダートグレード競争での連対経験」です。当ブログでも度々登場する女王・ララベル、そしてブルーチッパーはともに、直近で出走したマリーンカップで2着しての臨戦となっていました。中央勢と渡り合う実力を示している馬には、上位進出のチャンスがありそうです。

 

加えて、2014年の当レースで3着となったマイネエレーナは、中央からの転厩馬でした。これはブルーチッパーにも当てはまる条件であり、地方馬の取捨選択において重要な点の1つとなるのではないでしょうか。そしてこのマイネエレーナは、「中央から小久保厩舎への転厩」でした。今回のレースにも該当馬が…

 

●馬場傾向など

7月3日開催の同条件(1600m)を見ると、徹底的な前残り傾向が出ています。当日のレースは入稿の都合上見られませんが、引き続き降っている雨からも前残りの状況は大きく変わらないと推察されます。

 

過去のレースを振り返っても、1角の時点でハナ、あるいは2番手につけた馬が連に絡んでおり、今年も差し馬の台頭は望み薄と見て良さそうです。一方で、今回はJRA勢のメンバーがいずれも先行、あるいは逃げを戦法とするメンツとなっており、先行争いの激化が予想されます。「どの馬がハナを切ることができるのか」ないしは「どの馬がスムーズに番手につけるのか」という点が、今回の予想のカギになってきそうですね。

 

●本命、対抗

◎ゴールドクイーン(牝4・古川)

 

かきつばた記念1着からの臨戦となる当馬。本命に推した理由は、先述した「先行力」です。前走はその後さきたま杯を制するウインムートや、北海道スプリントCで重賞初制覇を果たすヤマニンアンプリメを退けての快勝を収めましたが、目についたのはゲートを出てからの二の脚です。一旦は先手を取ったウインムートのハナを叩き、外枠から勢いよく先頭へと踊り出ていました。ダート短距離路線の実績馬を相手にハナを奪う先行力、そして4つのコーナーを回るコースを攻略した点と、陣営にとっても収穫の多いレースだったのではないでしょうか。

 

今回は初のナイターや昨年の昇竜ステークス以来となる左回り、そして斤量56キロと不安点が挙げられるものの、それを克服しての好走を期待しています。

 

◯ラーゴブルー(牝5、御神本)

逃げにこだわりたい馬やキックバックの気になる馬がいる中で、この馬が見せた前走・マリーンカップでのレース運びはやはり評価できると言えるでしょう。気になるのは昨年の当レースでの成績ですが、私が書いたマリーンカップの予想記事に「昨年のスパーキングレディカップで1.9差の6着に敗れていますが、スタート時に躓いて後方からのレースだったため参考外」という記述を発見し、記録しておくことの大切さを思い知りました(笑)。対抗、というよりも馬券の軸として採用したい馬ですね。

 

マドラスチェック、ファッショニスタ、ミッシングリンク

52キロでの出走となるマドラスチェック(牝3・斉藤新)は、人気になってしかるべき1頭でしょう。中央でのオープン勝ちに加え、前走は外外を回りながらもJpnⅡ関東オークスで2着と実績も十分です。しかし一方で、陣営が「前走を踏まえ、逃げるか、外目の2番手」というコメントをしている点が気になります。決して出足が速い馬ではなく、1枠では包まれてから外目につけることも難しいとなれば、陣営の希望する戦術に至る可能性はあまり高いとは言えなさそうです。鞍上が変わってより陣営の意向が効きやすくなるでしょうから、ここも懸案材料です。

 

ミッシングリンク(牝5・左海)は、先述した「中央→小久保厩舎」の流れを辿っており、鞍上にも左海騎手を配置と万全の構え。道悪に関してもプラスに向きそうですし、前走は船橋巧者・ベンテンコゾウに千切られたものの、牝馬同士の対戦となれば巻き返しが期待できそうです。天保山ステークス2着から臨むファッショニスタ(牝5・川田)は、陣営が気にするように大型な点が小回りコースにマッチするかが課題。堺ステークスでのコーナリングを見る限りは、やはりハナを奪った方が良さそうな気配がします。

 

馬券的には◎→◯→△(3頭)の2軸3連複、◎の単勝、◎-◯の馬連あたりで勝負したいと思います!

 

 

 

 

 

6月2日 安田記念(GⅠ)予想

 

久しぶりの更新になります。休んでる期間もちょこちょこ覗きにいらしてる方がおり、このような文章を書いている身としてはうれしい限りです。東京競馬場5週連続GⅠもいよいよ最終戦。私自身、昨年人生初となる万馬券を取った思い出のレースをしっかりと当てていきたいところです。

 

安田記念(GⅠ・3歳以上OP・芝1600m)

戦前からさ4歳世代、ひいては日本競馬を代表する2頭の対決に沸く春のマイル王決定戦ですが、予想する側としては「馬券に来るもう1頭」を探したくなってしまうもの。さらに欲張れば、2強を崩す“第3の勢力”に夢見たくなるものです。私自身も、それに抗うことができず(笑)。1週間を“第3の勢力”探しに費やしました。

 

予想のカギとして考えたのは、先日のヴィクトリアマイルで1分30秒9という逃走劇をかました昨年の2着馬・アエロリットです。鞍上が横山典騎手から乗り替わりとなったことで前回のような「超」のつくハイペースにはならないと想像されるものの、内枠を引いたことで彼女がペースを左右することはほぼ間違いないでしょう。

 

ここから考えられるのは、勝ち馬になる資格の1つに「アエロリットを捕まえることができる」ことが挙げられるのではないか、ということです。実績を踏まえても、府中の舞台で積極策を打てば上位に来る実力が間違いなくあることから、勝利のためには彼女をとらえ切る必要が出てきます。

 

そして、これを実現する可能性としては2つの方法が考えられます。1つ目は「先行策から一瞬の脚で前を捕まえる」。イメージとしては、VMのラッキーライラックでしょうか。2つ目は「差し位置から息の長い末脚を伸ばす」。昨年のモズアスコットはこの例に当てはまりそうです。

 

隊列を予想すると、以下のようになります(諸々の意見はあるかもしれませんが、そこは勘弁願います(笑))

 

逃げ アエロリット グァンチャーレ    
先行 ダノンプレミアム フィアーノロマーノ ロジクライ  
(中団) アーモンドアイ ステルヴィオ ペルシアンナイト  
差し サングレーザー インディチャンプ ケイアイノーテック モズアスコット
(後方) サクラアンプルール      
追込 エントシャイデン スマートオーディン ロードクエスト  

 

この中から、1つ目の「先行勢」から候補を挙げると、⑮ダノンプレミアム、⑯ロジクライ、2つ目の「差し勢」からは④サングレーザー、⑤インディチャンプ、⑭アーモンドアイ、となります。ペルシアンナイトやステルヴィオ、モズアスコットは、今回用いた指標(実用的かの可否がわからないので明記しません)で、「アエロリットを捕まえるパフォーマンス域にない」と判断したため切ることとなりました。

 

これを踏まえての印は、

◎インディチャンプ

〇アーモンドアイ

▲ダノンプレミアム

△サングレーザー

△アエロリット

ロジクライ

となりました。

 

インディチャンプは、前走のスローペースを明らかに馬が嫌がっており、流れることが予想される今回はパフォーマンスの向上が見込まれます。ダノンプレミアムに負けてこそいますが、長い東京の直線で末脚を発揮できるのは東京新聞杯で示しており、2強崩しの最有力候補と言えそうです。

 

アーモンドアイ、ダノンプレミアムは語るべくもなし、という感じですが、外枠を引いた分後者の評価を下げました。折り合いも問題ないとは思いますが、好位を取りに行きたい馬な上、外を回り続けるロスも想定しなければいけません。しかし、中距離でも申し分ない成績を残しており、これも杞憂に終わりそうな気がします。

 

4番手以下は、総じて一発の可能性を秘めていると考えます。アエロリットは当然自分でペースを握ることができ、サングレーザーは秋天のパフォーマンスからもわかる通り東京で長い末脚を繰り出すことが可能。そして※ロジクライ富士ステークスのレースぶりから、「先行・抜け出し」の展開を想定することができ、持ちタイムからも一発逆転の可能性を孕んでいると考えます。

 

買い目としては、「対抗・単穴軸で的中」とはなりたくないので、インディチャンプ軸になりそうです。単複と馬連、ワイドといった感じですかね…。インディを頭にすると2強に流しても相当つきそうなので、余裕があれば3連単なんかも抑えてみたいです。それでは皆様、良い競馬を~(^^)

 

 

 

 

5月11日 京王杯スプリングカップ(GⅡ)見解、自信の一鞍

京王杯スプリングカップ(GⅡ・4歳以上OP・芝1400m)

 春のマイル王決定戦・安田記念の前哨戦ながら、1400mという条件から短距離路線を主戦場にする馬も集う一戦となります。昨年はムーンクエイクがレコードタイムを記録しての勝利となりましたが、今年はどの馬がアーモンドアイ、ダノンプレミアムの待ち受ける決戦へ駒を進めるでしょうか。

 

<データ分析>

 今レースには過去10年で目立った消し要素はなく、今回は馬を絞ることはしません。ですが、JRAの「今週の注目レース」では、「GⅠ以外の近走で1着、または勝ち馬から0.2差以内」と「前走で1・2番人気または10番人気以下」に強調要素があり、この2点をクリアしているのは、

 

④トゥザクラウン(牡5・福永)

スマートオーディン(牡6・池添)

 

の2頭となっています。

 

<予想・買い目>

◎サトノアレス

ロードクエスト

ロジクライ

キャナルストリート

 

 鞍上・舞台ともに抜かりないサトノアレスを本命とします。前走・東京新聞杯ではスペースの空いたインから抜け出しての3着。勝ち馬・インディチャンプから0.1差と衰えを感じさせない走りを見せました。インコースで包まれる不安はあるものの、同様に内枠(1枠1番)を引いた昨年の京王杯では、蛯名騎手が腹を括って最後方からレースを進め、4角からスムーズに外へ持ち出していました。頭数増えることで前走のような競馬は難しくなりそうですが、操作性の高さでそれを補うことのできる馬ではないかと考えます。

 

 対抗にはロードクエストを据えます。以前私が本命にした阪急杯では、4角で外から塞がれて外に持ち出すことができず。直線では1頭違った伸びを見せていただけに悔しいレースとなりました。そして、前走・前々走では、いずれも直線での進路どりに手間取って追い出すことができず。特に前走(ダービー卿CT)では、再三の進路変更とマイルの距離もあってか、ゴール板通過後に馬がピタリと止まっていました。連戦の疲労が心配されますが、鞍上配置からも気合は十分。距離短縮も加味しての対抗評価とします。

 

 3番手はロジクライ東京新聞杯では4角先から先頭に躍り出る積極策を図るも、前がつぶれる展開に屈する形に。阪急杯では内で窮屈な競馬を強いられ、レース後には須貝師も「もう一つ前のポジションならば……」と語っていました。前走のGⅠ・高松宮記念は明らかに距離不足。好相性の府中に戻り、逆転の一撃を狙いたいところでしょう。

 

 上がり馬からは、人気になるであろうトゥザクラウンではなくキャナルストリートを指名します。前走はゴール板前で先に抜け出したボンセルヴィーソをキッチリととらえてオープンに昇格。石橋騎手がレース後「先頭に立つのが早いと気を抜くと聞いていたので、前に目標を置く形と思っていました」と語ったように、着差0.0は理想的な競馬だったと言えそうです。大竹師も「牡馬が相手でも楽しみはある」と話しており期待感は十分。人気薄から狙いたい1頭となりそうです。

 

 買い目は以下の通り、

 

単勝…③(200円)

複勝…③(400円)

ワイド…③-⑥(200円)

    ③-⑧⑫(各100円)

 

●自信の一鞍:京都11R・京都ハイジャンプ(J・GⅡ、4歳以上OP、障3930m)

◎アズマタックン(牡6・熊沢)

 

 実績・舞台相性が抜群の④タマモプラネットが圧倒的1番人気の様相を呈していますが、ここはあえてこちらを本命とさせていただきます。前走こそ福島の障害OPで2.5差に敗れたものの、2走前には絶対王者オジュウチョウサンの復帰戦となった阪神SJで1.8差、そして上がり2位の4着と健闘しています。常に速い上がり脚を使っており、前走からのコース変わりは歓迎のはず。圧倒的人気馬がいるので、あえてこちらを本命としました。

 

 

 

 

5月8日 東京湾カップ見解

●ダービー、そしてオークスへ。世代の頂点を目指し負けられない戦い

 南関クラシックの2冠目・東京ダービー、そして牝馬クラシック最後の一冠にしてJRA勢との闘いとなる関東オークスに向けて、3歳世代の熾烈な争いが繰り広げられる東京湾カップ。昨年は私自身もGWの休みを利用して船橋へ赴きました。

 当レースと同条件で行われるブルーバードカップは、2017年から準重賞に昇格しトライアルレースとして格付けされたものの、勝ち馬を含む最先着馬から1着は現れず。舞台相性やコース経験といったプラス要素はあるものの、トライアル組を重く見る必要はあまりなさそうです。

 一方で、1冠目・羽田盃のトライアルであるクラウンカップからの臨戦馬は、14年から3年連続連対、5年連続で掲示板入りと好調。特にこのレースで2,3着と勝ち馬にわずか届かなかった馬が好成績を収めています。

 

●逃げ馬に利あり。「ブロンズコレクター」・左海誠二に注目

 過去5年で逃げた馬が馬券外に沈んだのは、2015年の1回のみ。この時は、序盤の2.5ハロンが6.7-11.3-11.4と他に類を見ないハイペースで運んだことが敗因と取れます。昨年逃げの手に出たクレイジーアクセルも6.9-11.0-11.9と比較的タイトな流れでの積極策となりましたが、その後の活躍からもわかる通り一枚上の実力を持っていたととらえるのが妥当ではないでしょうか。

 そして、しらさぎ賞ではドンピシャだった注目騎手は左海誠二騎手。昨年・一昨年と騎乗機会がなかったものの、14年からの3年は連続して3着に入線しています。

2番人気、5番人気、10番人気と上位・下位人気に関係なく3着に持ってきており、連系馬券のフォーメーションにも有力なデータとなっています。

 

●本命・対抗

◎ホールドユアハンド(牡3・左海)

 

 臨戦過程、鞍上ともに文句なしの本命です。2走前の京浜盃では、先行争いに敗れて2番手から追走したものの、流れに乗った後続に次々と交わされての12着惨敗となりました。本来ならば逃げる形に持ち込んでの押し切りが望ましいところですが、3走前には鞍上・森騎手の見事な手綱さばきで土をかぶらず2番手を追走、速め先頭からそのままゴールを駆け抜けました。乗り慣れた鞍上の判断にも期待したいところですね。

 

◯イグナシオドーロ(牡3・的場)

 

 上記の馬と、どちらが逃げることができるかの勝負になると思われます。北海道2歳優駿では、南関クラシックでも結果を残しているウィンターフェルと接戦を演じ、誤審問題も含め注目馬となりました。内枠、そして的場騎手騎乗となれば期待は大きく膨らみますが果たして…

 

穴サクセッサー(牡3・石崎)

 

 3走連続でホールドユアハンドと、再び並びで入線してほしい…(願望)

 

 

 

5月5日 NHKマイルカップ(GⅠ)見解、自信の一鞍

【反省文】

 昨日予想した京都新聞杯は、レッドジェニアル→ロジャーバローズ→サトノソロモンで決着。印を打った6頭の内2頭しか掲示板にこないとは、もう弁明の余地もありません。ヴァンケドミンゴは終いの脚が全くキレず、タガノディアマンテは先行策に出ましたが最後にかわされてしまいました。後方脚質なだけに、先行する必要があったのか?という疑問は残りましたね…

 

 勝ち馬・レッドジェニアルは消しデータとして目にした「キンカメ産駒」、そして陣営コメントにあった「まだまだ気性的に幼くてムラがある」という言葉から切りましたが、馬群の中でしっかりと折り合って、「しまいにいい脚を使うので、レースに集中できれば」というこちらの陣営コメントの通りになりました。

 

 「自信の1鞍」に選んだ立夏ステークスは、本命のマジカルスペルが1着で見事的中!バイト中にこっそり結果を見て喜んでました。重賞はなかなかなんともですが、こちらでは安定した的中率を出していきたいところです…

 

NHKマイルカップ(3歳OP・芝1600m)

 3歳マイル王決定戦となるこのレース。昨年の勝ち馬・ケイアイノーテックこそその後活躍できていませんが、2着・ギベオン、4着・ミスターメロディなど、後の重賞で古馬相手に出色の活躍をする馬が一堂に会していました。今年のメンバーにもニューヒーロー・ヒロイン候補が潜んでいるのか。主役の陰からすっと差し込む脇役に注意が必要になりそうです。

 

<データ分析>

 馬券内に来たことがないデータを整理すると、「1600m以上での勝ち鞍または重賞での連対経験なし」と「一度も重賞で5着以内を経験していない(ファルコンS勝ち馬を除く)」とのこと。しかし、これを当てはめても13頭が残ってしまい、ここから精査していくのは難しそうです。

 

<予想・買い目>

◎グランアレグリア(牝3・ルメール)

ケイデンスコール(牡3・石橋)

〇アドマイヤマーズ(牡3・デムーロ)

ヴィッテルスバッハ(牡3・戸崎)

△カテドラル(牡3・アブドゥラ)

△ダノンチェイサー(牡3・川田) 

(△ヴァルディゼール(牡3・北村友))

(△ファンタジスト(牡3・武豊))

 

 8頭挙げた上に◎が2つ。なんとも頭の悪そうな予想になってしまいました笑。やはりグランアレグリアが予想の軸になることは間違いありません。絶対的なスピード値が高く、自分から動くことができる操作性は何よりも魅力です。

朝日杯では3着に敗れており、牡馬相手のレースという点が懸念されますが、内へモタれるのはどのレースでも共通してのこと。能力を発揮できない不安はあまりないと言えそうです。

 一方で、このモタれる癖がここまでさほど影響していないのは「マッチレースで競る展開がないから」ともとることができます。朝日杯では抜け出したアドマイヤマーズに競る間もなく抜け出され、前走は自ら単騎抜け出して突き抜けました。今回も逃げたい馬を捕まえて抜け出す、という段階まではすんなりいきそうですが、アドマイヤマーズ、そしてダノンチェイサーといった理想とする展開が似ている馬を相手に競り合った時のパフォーマンスは、依然として未知数と言えそうです。

 そしてこれらの馬が競り合って摩耗した場合、台頭するのは「より優れたキレを持った馬」ということになります。筆頭候補はケイデンスコール。前走は3角~4角で内埒沿いに取り残されると、直線でも進路を探して右往左往。手前の関係からか右回りでは外にモタれる癖があり、勝ち馬をとらえ切ることができませんでした。今回は大外枠に入り陣営は失意を隠せない様子でしたが、裏を返せば腹を括って終いにかけるしかない枠。新馬戦ではアドマイヤマーズにしぶとく迫り、新潟2歳ステークスではしぶとく大外から末脚を伸ばしており、逆転の余地がある馬と言えそうです。

 その他の候補も末脚に関しては大きく差のないものを持っています。経験値や実績の差から印を打つこともできますが、今回は現地参戦を予定しているので実際の様子を見ての判断とします。

 買い目は以下の通り。

 

・三連複…⑦⑱-⑦⑰⑱ー⑰+(△印から3頭)

 

●自信の一鞍:新潟11R・谷川岳ステークス(4歳以上OP・芝1600m)

◎プロディガルサン(牡6・津村)

 

 いわずと知れたオークスの有力候補・ラヴズオンリーユーの兄にあたる馬です。近3走の内容はどれも勝ち馬とタイム差がなく、あと一歩でオープンクラスの勝利を手にできる位置にいると言えます。メンバー構成を見てもここが勝ち時。Gallopであまりに印が薄くて目を疑いましたが、前日1番人気は実力の証と言えるでしょう。

 

※おまけに東京10Rのテルペリオン(牡5・松若)もここに記しておきます。